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痛ましい事件が起きてしまいました。
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、分べん中に意識不明に陥った妊婦に対し、 受け入れを打診された18病院が拒否し、妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市) に収容されたことが分かった。脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け男児を出産したが、妊婦は約1週間後に死亡した。
遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は 「できるだけのことはやった」としている。
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赤旗は夕刊がないので翌朝に掲載されたんだけど、赤旗によれば18病院じゃなくて20病院だったようだ。(残念ながらネット上には載っていない)
さて、この周産期医療体制の問題について、日本共産党の穀田恵二衆議院議員が、国会で今年の3月1日にどの党にも先駆けて取り上げている。
1996年当時と現在とで、産婦人科のある病院の数・そのうち、国立・都道府県立・市町村立のそれぞれの数を質問。 産婦人科全体では1996ヵ所あったのが1469ヵ所に、26.4%も減っていることや、国立では160から107と、33.2% も減らしていることが明らかになった。
全国の自治体病院が統廃合や赤字の診療科を廃止している背景にある、総務省が進めている「地方公営企業の経営総点検」などの 『自治体リストラ』の問題ついてとりあげ「一方で、産科や小児科などは政策医療として守っていくといいながら、もう一方で、 赤字で苦しむ自治体病院を統廃合を進めている。京都府などは、各市町村に対してチェックシートを示して『(公設の病院が) 投資に見合った収益を上げているか』『統廃合や経営委譲の検討』などと点検をしている。
こんなことを進めれば、今の制度ではどうしても赤字になっている小児科や産科などがますます維持できなくなる」と指摘。 総務省の担当者は「(自治体病院の)適切な配置を維持することは必要」と認めながら「経営の合理化を進めることは当然必要」 という認識を示した。
これでは、周産期医療の充実と言いながら、一方でその体制を掘り崩していることになると厳しく批判した。
また、今日の医師不足の背景にある97年の大学医学部定員抑制の方針を打ち出した閣議決定について「見直すべきではないか」 と質したのにたいしては、竹中総務大臣は「将来の医師数の見通しについては厚生労働省が現在検討を進めていると聞いている。また、 大学の定員については文部省の管轄となっているので、回答は差し控えたい」と、回答を避けた。
国の方針としては「安心安全の出産」と称して、不足している産婦人科医師を集約化し、かなり高度な医療体制を充実させた
「総合周産期医療センター」を都道府県毎に「地域周産期医療センター」を各医療圏毎に設置する計画になっているのだが、
その地域周産期医療センターに指定されていてなおかつ国立病院でもある「舞鶴医療センター(旧舞鶴国立病院)」
で分娩受付を休止している問題を取り上げているのだが、議事録を読むとその
「総合周産期医療センター」が設置されていない県がかなりの数(47都道府県中38都道府県に設置。後の9県は未設置)
に上っていることが暴露されている。ちなみに奈良県はその中の一つだ。
ちなみに、この「総合周産期医療センター」に認定されると、国からの補助金が出るのだが(「地域周産期医療センター」
には国からの補助はない)、38都道府県51の施設に対して、昨年の補助実績はたったの36億円だけである。1施設あたり7000万円ってところ、これでは、いくら「安心・安全の出産」と国から言われたとしても、
新たに産科医の数だけじゃなくてNICU(新生児集中治療室)
やMFICU(母体胎児集中治療管理室)
の体制も24時間対応で整備しなくちゃいけないわけで、新たに設置する場合は県の負担が大きすぎる。
さすがに、政府としても「少子化対策」は目玉施策でもあるので、このお寒い限りの現状については改善を約束せざるを得なかったわけだが・・
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つづいて奈良県の県議会では、6月議会でやはり日本共産党の今井光子県議がとりあげている。
今井県議は、奈良県では分娩施設が13,診療所が17で、しかも県北部に集中。山間部にはほとんど無く、
分娩を扱う医療機関は39自治体中24自治体でゼロとなっていることや、県立奈良医大にNICUをつくったものの、
次のうけ入れ先が少ないため実質3分の1しか回転しておらず、4割が県外搬送されている実態を指摘。
「県立奈良医大を総合周産期センターとして設置すべきだ」と要求していた。
今井議員の質問に答えて、奈良県知事は2007年度に県立医科大学付属病院を充実させて総合周産期医療センターとして格上げする方針をうちだしていたのだが、、、
この方針があと1?2年早ければ、
今回のような痛ましい事件は起きなかったのだと思うと、
やはり政治の責任を痛感せざるを得ない。
今井議員は、今回の事件をうけて「今回の事件は防げたのではないかと思うと、本当に残念です。二度と繰り返さないためにも、
県は一刻も早く整備すべき」と語っている。
ということで、この問題は引き続きこのブログでもとりあげて行きたい。
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