正森成二さんのご冥福をお祈りします

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質問する人逃げる人― 議会(国会)の論戦はどのようにするのか

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  「舌鋒鋭く」ってのはこの人のためのにあったような言葉だとさえ思えるほど、鋭い質問で知られた正森成二さん(元日本共産党衆議院議員

 

その正森成二さんが、本日午前9:40にご逝去されました。
79歳でした。
心からご冥福をお祈りします。

 簡単な、プロフィールだけ紹介すると。きづがわ法律事務所の弁護士で、72年に旧大阪1区から初当選。 97年に健康上の理由で辞職するまで連続9回当選し在職25年の表彰も受けた元衆議院議員。党中央委員などを歴任し、 ロッキード事件の追及などでも大活躍されたかたです。

 さて、正森さんの質問で、やっぱり(っていうか、不承ながら)一番有名なのは「ハマコー」の 「宮本顕冶人殺し発言」の時の質問相手だったことかなと思う。

 あの時、予算委員長だったハマコーが突然キレて、公党の議長を人殺し呼ばわりした場面はあまりに有名だけど、 その時の質問相手が正森さんだというのは案外知られて無いんじゃないだろうか?
 このとき、ハマコー氏は実は2回も宮本議長のことを人殺し呼ばわりしている。
 1回目は、ハマコー氏に対して正森さんが質問をしたことを受けて、発言しているのに対し (質問への答えにはなっていないのだが)、2回目は、まったく別のテーマの議論で、 質問すらされていないのに突然マイクを握って「人殺し」とやっちゃった。 マスコミはこの2回目の発言の部分だけを前後カットして放送するものだから、多くの人はこの突然の意味不明の行動に首を傾げたことと思う。

 正森さんは、一回目の人殺し発言の後の中断の間に、宮本議長の戦前の最高裁判決文や、 過去の委員会質問でこの問題について答弁をした安原刑事局長の答弁が載った議事録、さらに治安維持法犯を「刑の言い渡しを受けざりしものとみなす」とした勅令七百三十号など関係資料をことごとく手に入れていた。
 結局、別のテーマの質問(経済問題)に移って、このままではやられっぱなしだと思ったハマコー氏が、 NHKの放送終了直前の時間を見計らって、相手の反論がテレビ放映されないタイミングで、突然2回目の「人殺し発言」をしたってわけだ。
 ちなみに、この2回目の人殺し発言のときには「戦前の判決でさえ殺人とは認定していない」 とやり返し、さらに法務省から「安原刑事局長が答えておられるのであればそれはそのとおりであろうかとも思います」 という答弁をひきだしている。(放送はされなかったわけだが)

 このハマコー発言を巡って、予算委員会は1週間空転。最終的にハマコー氏は委員長を解任されたわけだが、、、
 ↑ここらへんまでは、インターネット上を探せば見つけられるお話し。さらに、オマケの情報がなくちゃコバコバ的には書く意味が無い。

 このとき、当然のごとく野党から懲罰動議が上る。自民党としては「ハマコー氏のこととはいえ、あれだけ怒らせたということは、 正森君もなにかヒドイ言葉づかいや侮辱的表現を使っているはずだろう」と、議事録をくまなく隅々まで探し始めた。 「ケンカ両成敗」を狙ったわけなんだな。
 ところが見てのとおり、正森さんの丁寧な言葉づかいは、 ハマコーの発言の後も揺らぐことは無い。むしろ丁寧さが増したぐらいだったもんだから、 自民党的にも完全にお手上げ状態になってしまって、委員長解任を自民党の方から提案せざるをえなくなったのだそうな。

 紹介した本は、そんな正森氏の国会論戦の回顧録的内容。実際の質疑の内容が多く紹介されていてお薦めです。

お知らせ
お通夜 10月20日 午後7時
告別式 10月21日 午前10時
場所  やすらぎ天空館
     大阪市阿倍野区阿倍野筋4丁目19?115
     (地下鉄谷町線阿倍野駅6番出口から南へ)
喪主  正森博子さん(妻)