京都労演2月例会-「評決」-アメリカの陪審員制度の光と影

 今日は、京都労演2月例会・劇団昴公演『評決』 を見に行きました。

 劇の内容を、京都労演の紹介文から引用します。

酔いどれ弁護士が、人間の尊厳をかけ、権力に立ち向かう――舞い込んだ事件の相手は、教会を後ろ盾にした病院だった。彼の正義は目覚めるのか!? 裁判の行方は!?  ハリウッド映画にもなった抜群に面白い法廷劇!!

 元ネタは、アメリカの弁護士で小説家のバリー・リードが、1980年に発表した小説で、自身の法律事務所が手掛けた医療過誤訴訟事件がモデルになってます。劇中では具体的な金額は示されてませんでしたが、当時としては史上最高額540万ドル(約12億円・当時)で勝訴したとのことです。さすがアメリカ、スケールが違う!

 1982年にはポールニューマン主演で映画化されてますので、おおよそのあらすじは知っていたつもりでしたが、最後のどんでん返しとかはおぼえてなかったので、最後までハラハラしながら楽しめました。

 日本の法廷ドラマも好きなんですけど、やっぱりアメリカの陪審員制度を絡めたドラマは、一味も二味も違います。やっぱり庶民の正義感をくすぐる弁舌からの「評決」という流れがあり、出された結論には爽快感が伴います。陪審員制度の「光」の部分だと思います。

 もちろん、陪審員制度が絶対に優れていると言うつもりはありません。懲罰的損害賠償制度と組み合わさって、ときどきとんでもない判決が出たとニュースで知って驚かされることもあります(マクドナルドのコーヒー火傷で3億円!みたいな)。ただ、日本の裁判員制度と違って、裁判官すら排除した陪審員だけの密室協議で「評決」が出されるというスリリングさは、司法制度への国民・市民の参加を保証するという「国のあり方」として、魅力的ではあるなと、あらためて感じました。