東山区には現在、8つの小学校・3つの中学校があります。
そのうち、七条通から北側の、白川、新道、六原、清水、東山の5小学校と洛東、弥栄の2中学校が、1つの小中一貫校(施設一体型)として統合することが決まっています。
新しい学校の名前は『東山開睛館』旧・洛東中学校の跡地(場所はココ)に、建設中で4月開校の予定です。
5つの小学校を統合するわけですから、当然登校距離は延びます。
例えばこんなところからも通うことになります。
リンク先グーグルマップを参照していただければ分かりますが、歩行距離約3キロ、低学年の子供にはかなりキビシイ。
京都市教育委員会は、スクールバスは出さず、代わりに、通学ルートに対応した路線バスを1路線新設し朝夕4便走らせるとのことです。
先月17日には登校シュミレーションも実施されました。
ところで、先週の土曜日に、とんでもない話を聞きました。
京都市教育委員会が、子供の下校時の安全を守る目的で「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」という取り組みを約4年前から実施しています。
地域学校安全指導員=スクールガード・リーダーという、下校時の安全を守る専門家に下校時間のパトロール委嘱し『安全で安心できる学校が確立される取組を推進する』という制度。 退職した元警察官が、日給2660円・月10日勤務で、特別職公務員として仕事を受託しています。
京都市内で30数名、東山区は七条から北と南で一人ずつの二人体制です。
5つの小学校を一人で10日間ですから1校あたり月2日、下校時間にその学区の下校ルートをグルグルとパトロールをして「危険な場所がないか?」「怪しい人物はいないか?」と目を光らせています。スクールガード・リーダーさんから寄せられる安全情報は、子供が下校する際に気をつけるべき情報として学校関係者などに提供されます。
なんと、この、七条から北の5つの小学校でパトロールをしていたYさんから『来年度(今年の4月から)このパトロールの仕事が無くなるんです』との情報が寄せられました!
さっそく、日本共産党・京都市会議委員団を通じて、教育委員会に確認をすると「スクールガード・リーダーという制度は残すが、パトロールから、安全の啓蒙活動に活動の軸足を移す」「日常の見回りはボランティアを中心に組織し、スクールガード・リーダーによるパトロールの回数は減らす」とのことでした。
要するに、体の良い経費削減です。
学校が統廃合になって、通学距離が伸びるというのに、子供の下校時の安全をまもる人的な体制が後退してしまうという大問題!
京都市教育委員会には、本当に、東山区の学校統合で危険度が増す通学経路で、子供の安全を守る気があるのでしょうか?
せめて、東山区の統廃合で通学距離がこの4月から大幅に延びる『東山開睛館』だけでも、これまで以上のパトロール体制を維持すべきです。
すっかり、やる気を無くしていたYさん。『京都市はそれだけ財政がキビシイんでしょう』『教育委員会には昔、嫌な思いをさせられたことがある。もう関わらないで済むなら清々する』と来年度のスクールガード・リーダーの委嘱申請を出さずに諦めていました。
私は「財政がキビシイと言いますが、京都市は来年度から『空き缶回収禁止条例』=ホームレスの方が生活の糧にしている空き缶集めを禁止する条例を守らせるための、パトロール体制をつくるため、920万円の予算を新規で計上してるんです。ホームレスから僅かばかりの収入を奪うために、ちょうどスクールガード・リーダーの経費削減分とほぼ同じ額の新規予算ですよ!」というお話をすると、Yさん、みるみる眼の色が代わりました。
「子供の安全より、ホームレスをイジメる方が大事だなんて許せん!」
その場で、スクールガード・リーダーの委嘱申請用紙を部屋の奥から引っ張り出してきて、書き始めました。
なんと、申請締切りが3月8日=今日が締切り日でした。
一緒に、行こうかとも思いましたが、私も次の予定があったので、Yさんには
『1、パトロール体制(月10日)を維持すること、
2、今まで通りのエリア=東山開睛館校区を担当すること、
この2点を条件に、委嘱に応じると教育委員会に通告してください。その後は、共産党京都市会議員団と連携して、その希望が実現させるために京都市に働きかけます』とお約束。
すでに、夕刻の5時半を回っていたので『もし、教育委員会の職員が帰っていたら、電話ください』と言って別れました。
その後、教育委員会から無事帰ってきた、Yさん。
「条件として、3つ目に『新設校の学校校舎内のパトロールの仕事も付け加えてください』とお願いしました。”危険予測”という、私は長年の経験で、専門家の目から見た危険箇所を把握することが出来ます。新設の学校だから是非必要だと訴えておきました」との事。
うーん!さすがプロです。すばらしい提案です。
Yさんの「子供の安全を守りたい!」という熱意、何としてもムダにしたくない。
それはモチロン、子供の安全を守るために。です。
私は、学校統廃合そのものに疑問を持っていますが、統廃合すると決まった以上は、この統廃合が成功するよう、一番大事な『子供の安全』を守るために全力を尽くしたいと考えています。
それが、政治家の仕事です。
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最後に、もう一つエピソード。
今日、六原小学校の低学年ぐらいの女の子と話をする機会がありました。
「4月から学校楽しみ?」
『えーっと、人数がスゴーク増えるのがイヤや』
「へーどうしてぇ?今、クラスは何人?」
『今、13人。みんな近所で仲良しやし。クラスが別れたり、人数が増えて競争するのイヤ』
横で話を聞いていた親御さんは『今の学校は競争がないからこの子はオットリしてて、将来が心配で…』と言っておられましたが、僕にはこの少女の意見の方が、ずっと正論に聞こえてなりませんでした。