原油価格高騰問題に対する一番の対策は、「超!本気」の地球温暖化対策を実施すること(その2)
前回は、原油価格が下がった方が(正確には『下がるような状況の方が』)地球温暖化対策に長期的には有効って話をしました。
って言うか、明日書きますとか書いといてまた4日も放置してしまいました、、、orz
、、、(気を取り直してwww)ではどうやって、原油価格を下げるのか?
商品の価格を決定づけるのは需要と供給のバランスってことは経済の基本中の基本。*1
しかし、原油価格を下げるために供給を増やすというのでは地球温暖化対策にとってマイナスであり本末転倒していることはおわかりいただけると思いますので、当然需要の側を減らす対策が必要 ってことです。
つまり、省エネルギー型社会を目指すことがそのまま原油の価格を引き下げることにつながるわけです。*2
地球温暖化対策と原油高騰対策とが密接に関係するというのはそういう意味です。
『それでもやっぱり、価格が上がれば需要が減るんだから、温暖化対策にプラスじゃん』と言う方。
確かに、省エネルギー型の企業が生き残って、エネルギー浪費型の企業が淘汰されれば、化石燃料の消費スピードは鈍るでしょう。
しかし、現実の事態はそう単純には進んでいません。
現在の原油高・原材料高の中で、コスト上昇分を商品価格に転嫁できているのは極々一部の大企業だけで、多くの中堅以下の企業はコスト上昇分を価格に転嫁できずに苦しんでいます。具体的には事業を縮小・廃止したりしています。
でもって、この生き残る事のできる超・大企業っていうのは、同時に、エネルギー消費量のもっとも多い化石燃料の大口需要家でもあったりします。
極々、単純化した書き方をしますが、中堅以下の企業が淘汰された分、その企業の担っていた市場を生き残った大企業が美味しく頂いてしまうわけです。
そして、中小企業が労働者の手足で担っていた生産過程を、入れ代わりに担うことになった超・大企業様は、ロボットに置き換えたり、外国で生産した部品を大量の燃料を消費して輸入したりして、置き換えるわけです。
これでは、同じ量の商品を生産するために消費する化石燃料の総量は増えてしまい、原油の需要増からますます原油価格は高騰し、中堅以下の企業はバタバタと倒れるという悪循環が続くことになります。
原油価格高騰の問題と地球温暖化対策の解決の為には、この流れを転換させる必要がある訳です。
じゃあズバリ必要な対策は何なんだ?
まぁ、具体的には、化石燃料の大口需要家=産業界の中の『超・大企業』の方々に、CO2排出量に見合った環境税をかけて、その税収を省エネルギー型社会に転換するための対策費用に充てるっていうのが一番手っ取り早いっぽいなぁと、個人的には考えてます。
集めた税収は、自然エネルギーの開発だとか、地産地消の推進だとか、、、
まぁとにかく、大量生産・大量消費・大量廃棄の大企業依存型の消費社会から、少量で多彩な商品を長期間にわたって使い続けるっていう「もったいない」精神を発揮した社会に転換するための財源に充てる、、、ぶっちゃけて言いますと中小企業応援型の消費社会への転換を測るために真剣に取り組むことこそが必要なんじゃないのか?、、、ってわけです。
(太陽光発電、風力発電、エタノール、水素、燃料電池で動くエンジンとか、さらに進んで世界を揺るがす大提言とかを期待した方々には、まことに期待はずれかもしれませんがwww)
ただし、そういう省エネルギー型社会を実現した国を国際社会全体が応援する仕組み=例えば地球規模のCO2排出権取引市場の創設なんかとセットでないとあまり効果がないのかなぁとも思います。*3
と、ここまで書いて、結局いつもの日本共産党さんの主張に戻ってしまうわけですが、この化石燃料の大口需要家である「超・大企業様」と「アメリカ様」に、その規模にふさわしい社会的責任を果たしてもらうということが一番手っ取り早い対策なわけですなあ。
ってことで、26日に発表された日本共産党の地球温暖化抑止のための提言
「地球温暖化の抑止に、日本はどのようにして国際的責任をはたすべきか」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-06-26/2008062601_01_0.html
これは原油高騰対策の話にもつながる話なわけです。
っと、ここまで書いたところでこの中長期にわたる対策が、実は現在直面している原油価格の高騰問題を「短期的」に「劇的」に解決するかもしれないというお話をしたかったのですが、、、
今日は字数も増えすぎたのでこの辺で終わって、後日に続きを書きますwww
*1 現在の原油高騰が需給バランスではなく投機マネーによって引き起こされているというツッコミには続編で答えます。
*2 この論理は因果関係が転倒しちゃってるんじゃないの?ってツッコミにも続編で答えます。
*3 国際競争の存在を無視した対策は無意味。