その3:マルクス経済学を分かり易さ重視で解明!
*以下の文書はその2の続きです
それじゃ、昨日に引き続きマルクス経済学の基本について、聞いていきましょうか。 その前にまず、昨日の話のポイントを整理してもらえますか? |
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分かりました。箇条書でまとめましょう。 1、資本主義社会は商品の生産と交換が大規模に行われる社会。 2、商品には「使用価値」と「交換価値」の二つの側面がある。 3、「交換価値」は「社会的必要労働時間」に規定される。 4、原材料が加工されて商品となり「交換価値」が増大する過程では必ず生産的な労働が加わっている。 5、商品の「価格」は需要と供給の関係で上下するが、究極的には商品の「価値」によって規定される 6、「労働力」も「商品」 7、「労働力』という商品は「労働」によって価値を増殖させるという「使用価値」を持つ唯一の商品。 8、「労働が生み出す価値」と「労働力の価値」の差分が「剰余価値」として資本家に搾取される 9、花見シーズンに京都観光に行くと人多杉 とまぁ、 ここまでを前回は説明しました。 |
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(チッ!最後にしょうもないオチつけやがって、絶対ツッコマねーからナ)
それでは「労働力」という「商品」についてですが、この「商品」の「価値」も他の商品と同様に「作り出すために要した 『社会的必要労働時間』によって決まる」ということでよろしいですか?なんだか、 人間が工場で作られるわけじゃないのでイメージし難いんですが、、、 |
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(クソ!俺様の見事なボケを完全ムシかよ、、、) そうですね。分かりやすさのために、労働力という商品を生産するために必要な費用と言い替えておきましょうか、具体例としては・ ・・ 1、労働者の衣食住の費用 (労働者本人の生活維持) 2、労働者本人の育成費・教育費(労働力商品の質の向上) 3、労働者家族の養育費 (次世代の労働者の再生産費) あたりでしょうか。 |
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なるほど。 日本人の労賃が外国に比べて高いのは(1)の衣食住費用や(2)(3)の教育費が諸外国より高いから。 医者や弁護士などの高度な専門職の労賃が高いのは(2)のその職業に就くために必要な費用が高くつくから、 といった理由で説明が付きそうですね。 |
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まぁ、そういうことなんですが、注意しておくべきは「労賃」は労働力という商品の「価格」であって、 「労働者の必要生計費=労働力商品の生産に必要な社会的必要労働時間」よりも「高くなることもあれば低くなることもある」 ということです。 | |
他の商品と同じように「需要」と「供給」のバランスで決まるということですね。 | |
それも決定的に大きいです。しかしそれだけでもありません。 | |
と言うと? | |
他の商品とちがって労働力という「商品」は「意思を持った人間」ですから、 資本家との「力関係」もおおいに「価格」を「価値以上」 に押しあげることもあれば「価値以下」に押し下げることもあるということを肝に銘じるべきです。 |
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「団結ガンバロー!」ですなwww | |
そうです。団結ガンバローwww 日本人はどうもその点が決定的に弱いですナア。 |
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マルクスさんの国とは国の成り立ちというか、歴史と伝統が全然ちがうからしょうがないですやん。 | |
(日本共産党の専従がそうやって開き直ってイイのかよ!オイ!)
ちなみに、労賃が価値以下に押し下げられた状態が長く続けば、 労働者の生活の質の低下が「常態化」して 「必要生計費」を押し下げる⇒低くなった「労賃」が「労働力の価値」に反作用することもあります。 |
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確かに(1)はともかく、(3)「家族の養育費用」は完全に出なくなってますからね。 |
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資本家にしてみれば、海外に安い労賃求めて出て行きゃイイだけだし、貧困化・格差社会が極端に進んで(2)
「労働者の質を高めるための養成費用」なんかについて「貧乏人は教育なんか受けんでもイイ!」
ってことが日本社会全体の常識になれば、国全体が貧困だった頃のような「貧乏人の子沢山」の再現もありえると思うぞ。
まぁ、あんまり自動的に賃金が上るなんて思わんことだ。団結ガンバローwww |
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そりゃ怖い! やっぱ大事ですね>団結ガンバローwww |
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その説明をする前に「剰余価値」と「利潤」とはちがうということを説明しましょう。 剰余価値は、商品の価値のうち、労働者に支払われた労賃を除いた資本家の取り分のことだと説明しました。 |
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そうですね。 |
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資本家が剰余価値を利潤として自分の手に入れるためには、商品を生産する(価値を創造する)だけでは道半ばで、 商品を消費者の手元に届ける(価値を実現する)ことが必要です。 | |
運送や小売といった職業ですね。僕も過去のエントリーでその件にチョッこっとだけ触れました。 |
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資本家は剰余価値を最大化したいのではなくて、利潤を最大化したいわけです。 | |
なるほど。 | |
ここで、会社A?Hまでの8つの会社だけでできた社会を想定してみましょう。 |
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この時点では、横軸の商品の総量と、労働者:資本家の取り分が過不足なくバランスが取れてますネ。 |
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チョwww、いきなり極端に生産力が増えましたね!150%増ですか。 |
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資本主義の初期段階では珍しいことじゃないですよwww 早く、質問に答えて下さいヨ。どういう変化が起きますか? |
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えーっと、会社A?Dのつくる労働者向けの商品の総量が増えたのに、労働者の消費できる■の量が増えてないので、
会社A?Dの商品が余ると思います。 どれか一つは倒産するかも。 |
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そうですね、というこで、A?Dは、なるべく自分の会社の商品を買ってもらえるように小売店に労働力を割いたり、
広告などを出すようになります。小売店や広告代理店は剰余価値を生み出しませんから、■で表しました。分かりやすくするために、
剰余価値の□のうち、非製造部門に渡さなくてはいけない分をそれぞれ色分けしてあります。 会社A■■■■□□□□□□□□ ⇒労働者むけ商品を製造 会社B■■■■□□□□□□□□ ⇒労働者むけ商品を製造 会社C■■■■□□□□□□□□ ⇒労働者むけ商品を製造 会社D ⇒倒産 会社E■■■■□□□□□□□□ ⇒資本家むけ商品を製造 (主に生産力向上のための機械等) 会社F■■■■□□□□□□□□ ⇒資本家むけ商品を製造( 〃 会社G■■■■□□□□□□□□ ⇒資本家むけ商品を製造( 〃 会社H■■■■□□□□□□□□ ⇒資本家むけ商品を製造 (主に資本家の贅沢品を製造) 会社I■■■■ ⇒小売店(■のうち3つは労働者に1つは資本家が消費) 会社J■■■■ ⇒運送屋( 〃 ) 会社K■■■■ ⇒広告屋( 〃 ) これで少しはバランスが取れました。 |
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なるほど、会社E?Hも、A?Dの会社が生産力向上に振り向ける量が相対的に減るわけだから、
チョッとは広告や営業なんかの部門を強化しなくちゃいけなくなるわけだ。 |
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それと、資本家の贅沢に使える比率が I?Kは、A?Hに比べて高いというのも気が付きますかネ。 |
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なるほど。・・・ところで、もうそろそろgooブログの1エントリーあたりの文字制限1万文字を超えそうなんだけど? | |
商品を生産して剰余価値を生み出しても、消費されない事には資本家の手元に利潤は転がり込んでこない。 売れない在庫を抱え過ぎたために不景気になるというのも資本主義社会特有の奇妙な現象です。物が余りすぎて、貧困になる。 ホントは増えた生産能力を、労働者の賃上げや時短に使えば、せっかくつくった商品が無駄にせずにすんだり、 せっかく生産能力を増やした会社が倒産したりせずにすむわけですが、資本家というのは常に利潤率の向上を目指して 「生産のための生産」というサイクルをどこまでも止めることができない生き物だから、こういう矛盾が起きる・・・って、、、 ゴメンwwwまだまだ次回もこの話し続く! |
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エー! |