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イノセント・ピープル“原爆を作った男たちの65年”

 すいません、ブログの更新をサボってました。

 ということで、とにかく一旦ハードルを下げるために、何でもいいから短時間で書くことにします。

 実は私、京都労演の会員なんですが、7月の例会の演目が
 劇団昴公演『イノセント・ピープル “原爆を作った男たちの65年”』
 でした。良い劇でしたヨ!

 


イノセント・ピープル 予告編 - YouTube

 

 作/畑澤聖悟 
 演出/黒岩 亮
 出演/遠藤純一・宮本 充・福山廉士・米倉紀之子 他

 日本人は決してあの日を忘れない  アメリカ人はヒロシマもナガサキも知らない

 アメリカ・ニューメキシコ州ロスアラモス。原爆開発をめざし、若い優秀な科学者たちが集められる――広島、長崎に落とされた2発の原爆製造に従事した5人の若者が歩んだアメリカの「戦後」の物語。
 イノセント・ピープルとは「罪悪感のない無垢な人々」。アメリカ人から見た「戦争と原爆」を日本人が描いた異色作です。人間と原子力の過去と未来を問いかける、今、注目の舞台!! 

 自分が被爆3世ということで、なかなか身につまされました。

 とにかく、登場する「標準的なアメリカ人」が、ヒロシマ・ナガサキをあまりに知らなさすぎる!
 「ジャップは殺されて当然!」という人物も複数登場するし、そこまで行かなくても「原爆のおかげで戦争終結が早まった。犠牲者数を最小化した」とは、ほとんど全員が本気でそう思っていて、見ていてめまいが・・・

 劇は、終戦から20年の同窓会からはじまって⇒戦争中の回想⇒30年の同窓会⇒戦争中⇒40年の同窓会⇒戦争中・・・と交互に舞台転換する。それぞれの時代で、ベトナム戦争だったり、湾岸戦争だったり、アフガン・イラク戦争だったりと、アメリカがやってる戦争を背景に、「息子がベトナム戦争へ行った」「娘が日本人の被爆2世に嫁いだ」等のイベントを経て、登場人物がそれぞれにあの戦争を振り返るわけです。

 

 でもって、最後は登場人物の全員が何らかの形で「戦争」「放射能」を憎むようになる。「ジャップは殺されて当然!」と言ってはばからなかった一番のタカ派で海兵隊中佐⇒退役軍人会幹部、という登場人物ですら「イラク戦争で1人息子を亡くす、しかも劣化ウラン弾の残留放射能が原因の肺炎で・・・」というオチ。こうやって書くと強引な筋書きに見えるが、見ていて強引さは感じなかった。それぐらい、とにかくアメリカっていう国が「ひたすら戦争ばっかりやってる国なんだなぁ」「日常生活に戦争の話がついてまわる国民なんだなあ」ってことがよく分かり「そりゃ、そうなる(=息子を戦争で失う)だろうよ」と思わせるのに十分だった。

 主役の科学者(起爆装置の設計担当)は「私は与えられた仕事をしただけなんだ」と、最後まで言い続けるわけだが、最初の登場時点の「罪悪感の無い無垢の人々」から、明らかに「罪悪感を感じている」様子に変化するので、未来につながっていると感じました。きっといつか、アメリカっていう国が原爆の投下をきちんと反省できるようになるという未来に。

 でもって観劇後に、最近の日本の歴史修正主義者の発言とか思い出しながら、ひょっとして、外国から見た日本人こそ「イノセント・ピープル=罪悪感のない無垢の人」になっているかも知れない・・・と、自省させられたのでした。

 終了後は、出演役者さん達を囲んでの夕食会でした。楽しかった~♪