演説原稿を公開(観光公害・東山区のまちづくり問題)

 先日、消費税問題の演説原稿を公開しましたが「まちづくり問題での演説原稿も読みたい」という反応をいただいたので、この2ヶ月ほど練り上げてきた「基本パターン」の演説原稿を公開します。

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 ご町内の皆さん!日本共産党・小林たかひろです。只今から、この場所をお借りしまして、演説をさせていただきます。しばらくのご清聴ご協力をよろしくおねがいします

 私は、4月に行われます統一地方選挙で、ご当地東山区から、府会議員選挙に立候補することを決意しました。今回、候補者発表をさせていただいてから2ヶ月あまりの間、街中をこうして歩いていますと、前回選挙からのこの4年間、特にこの2・3年ほどの間で、東山区の街の姿が「様変わりしたなぁ」と驚くことの連続です。

 ホテル、民泊・ゲストハウスが建築ラッシュです。皆さんご存知のとおりです、ゴミ・煙草のポイ捨てや深夜の騒音、バスは混雑で乗れやしない、歩道はも混雑で歩けやしない。また、民泊施設の多くが管理人不在で、火事でも起こったらどうするのかという不安などなど、問題山積みです。

 

 最初は民泊施設のごく近隣の問題でした、この頃は、空き家を「民泊」「ゲストハウス」にすれば儲かると、海外のお金持ち・富裕層が京都市内の土地を買い漁るようになりました。昨年9月に発表された全国約3000地点の基準地価で上昇率の上位10地点のうち5地点が京都、そのトップが東山区の八坂神社前です。1年で約30%上がった。基準地価はあくまで基準で、その値上がりが3年は続くと見たら2倍の金額を出しても儲かると考えるのが不動産投資家の買い方ですから、市場価格は30%どころかついちょっと前の2倍3倍という噂が飛び交ってる状況、まさにバブルそのものです。

 地価が上がれば、家賃も上がります。家賃が上がって人口が減れば、地元住民を相手に商売をしていたお店が撤退して観光客向けのお店に置き換わります。近所のスーパーや日常の雑貨を買うお店が、この数年の間に撤退・廃業、業種替えをしたっていう経験、みなさん経験されているとおもいます。

 観光客が増えたらお客さんも増えると思うでしょうが、そうは行きません。観光客は、日常生活で必要なお買い物、お野菜・お肉お魚、買いません、クリーニング店、利用しません、逆に、私たち住民は、毎日の晩御飯に観光客の皆さんがお食べになるようなクレープやソフトクリームばかり食べるわけにはいかないんです。

 観光地化が進んで、住民が住みにくくなるのに家賃が上がり、さらに住みにくくなるという現象を、オーバーツーリズム=観光公害と言って、世界の有名観光地、フランスのパリやスペインのバルセロナ、などではすでに大問題になっています。スペインのバルセロナでは、「ノー・モア・トラベラー」と市民がデモ行進をするようになり、バルセロナの市長は、市民の生活を守るために、ホテルの新規建設を2年間凍結するという決断を下しました。

 これが、本来、政治がやるべき仕事じゃあありませんか。ところが、府知事も、京都市長も、外国人観光客が増えれば増えるほどいいとばかりの政策をとっています。住民の生活をないがしろにするのもいいかげんにしろと言いたい。

 

 そして、この「オーバーツーリズム=観光公害」の問題の背景にも、やはり「アベ政治」があるんです。安倍政権の経済政策・アベノミクスの柱の一つが「観光立国」です。インバウンドを取り込むんだ、2012年に1000万人だった外国人観光客数を、TOKYO・2020、2020年に4000万人に増やす。そのためにじゃまになる法律をドンドン規制緩和していく。この「ビジット・ジャパン・キャンペーン」によって、2018年には3018万人もの訪日外国人が訪れました、実に3倍に増えたわけです。もう、我慢の限界です。

 観光地は、住んで良しがあってこそ、訪れて良しです。観光地・東山の魅力は、この地域に住む住民が長年に渡って築き上げてきた、歴史的な建物であったり、伝統文化、伝統行事、伝統産業が、その源泉となっているんです。古い建物の外観だけが残って、人の住まない・中身のない街になったら、それは観光地ではなくテーマパークです。京町家だって、そこに人が住んで、子・孫の代に残したいと思うからこそ、30年30年先を見越して維持・修繕が図られるんです。2年3年先すら見通しせ無い、変化の激しいレジャー産業に、そんな役割をになえるはずがありません。

 

 住民が、オーバーツーリズムで苦しんでいる時に、住民の暮らしを守り、住み続けられる街として守るのが、行政・政治の役割です。私は、東山区を「住んでよし・訪れて良し」の、持続可能な観光地として取り戻すために、全力を上げてがんばります。

 安倍政権・市長・府知事の、外国人観光客呼び込み一辺倒の政治から、住民の暮らし第一の政治へ転換します。 

 安倍政権・府知事・市長の政策に、なんでも100%賛成するオール与党が議席を独占してるこの東山区に、野党の議席、住民の声を議会へ届ける議席、安倍政権にも府知事にも京都市長にも「アカンもんはアカン」と物が言える議席、ご一緒に取り戻そうじゃありませんか。

 皆さん!4月の統一地方選挙は、政治を変える絶好のチャンスです。府会には、私・小林たかひろ。市会には無所属・市民派の白坂ゆうこさんへ「くらし守れ」の願い、託してください。ありがとうございました。

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