分譲マンションで民泊するとか、絶対に許せない!

 今日の京都市内は久しぶり?の雨でした。ということで、後援会員宅への訪問活動もあまり捗りません。

 こういう時に雨に濡れずに件数を稼げる集合住宅はありがたいですネ!ということで、今日訪問した、とある分譲マンションのエントランスで見た看板がこれ。

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民泊禁止

 こういう掲示をしなくちゃいけないっていうこと自体がまったくもって腹立たしいです。だって、分譲マンションで「民泊」をするなどということは、マンション管理上あってはならないからです。

 私は、自宅マンションの管理組合の理事を引き受けた時に「せっかくだから、マンション管理についてシッカリ勉強しよう。どうせ勉強するならトコトン勉強しよう」という動機で、国家資格のマンション管理士試験の受験を志し、約半年の勉強期間でマンション管理士の資格をとったぐらい、分譲マンションの管理組合運営に関しては一家言持ってます。でもって、この「民泊」と、マンション管理組合の運営っていうのはトコトン相性が悪い。

 分譲マンションというのは、「個人財産」であり、かつ「共有財産」であるという2面性を持っています。個人財産である「専有部分」の価値は、共有財産である「共有部分」の価値と不可分に結びついています。誰も自分の財産価値を毀損したくないがために「共有部分」の管理についても関心を持ち、応分の負担(管理費および修繕積立金)をします。

 管理員さんや清掃員さんを雇用して、廊下やエントランスの清掃をお願いすることや、施設・設備の点検・維持管理、そして修繕にかかるコストは、建物の大きさから戸建住宅よりずっと多額です。しかし戸数あたりで割ると、戸建住宅よりもずっと負担が少ないくなる、それがマンションのメリットです。

 そしてそのコストを下げるために「お互いに管理員さんの負担を増やさないよう、共用施設をキレイに使いましょうね」とか「施設点検の日とか、排水管の清掃の日には、なるべく在宅してくださいね」などといった、共有施設を利用する際のルールをお互いに守ります。そうやって、マンションという財産を共有するメリットを最大化しようと努力するのが、マンションを区分所有するものの責務であり、その先頭に立ってガンバルのがマンション管理組合です。

 マンション管理士っぽく言えば、区分所有法6条「区分所有者は・・・区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」です。「民泊」はこの、共同の利益に真っ向から反します。

 よくよく考えてください。もし分譲マンションの「全戸」が、それぞれバラバラに「民泊」になってしまったら。そのマンション全体で必要な清掃などのコストを管理費から負担し、火災や犯罪などへの備え=安心・安全のためのコストを管理組合が負担し、、、おそらく、必要な管理費・修繕積立金はとんでもなく高額になることでしょう。管理費の値上げのためには区分所有者でつくる管理組合の総会で議決しなくちゃいけませんし、それぞれの所有者毎に考え方の違いもあって話をまとめるのは相当苦労することでしょう。まとまらなければ、いよいよまともな清掃も実施されない廃墟のような建物になりかねません。それって、普通にホテルを一棟運営した場合と比べて、どっちが意思決定などもろもろ含めた運営コストが安上がりか?

 ようするに、今流行りの「マンションでの民泊」ってのは、普通のホテルが負担する、清掃や安全・安心のためのコストを、同じマンションに住む他の区分所有者が負担する管理費に依存することで、周辺の宿泊施設よりも低コストでサービスを提供するという、まったくもって「不公平・不公正」な「フリーライダー」であって、同じマンションに存在すること自体が絶対に許されない代物です。

 国の法律でも、京都市の条例でも、マンションの区分所有者の意思に反して分譲マンションで「民泊」を運営することについてはそれなりの「制約」を設けてはいます。しかし、その「制約」も、分譲マンションの区分所有者が黙って見過ごしていたら簡単に乗り越えられる仕組みがつくられてしまったというのが、安倍政権がすすめる「観光立国」「インバウンドとりこみ」の政策です。

 ということで、もし、お住まいのマンションで「民泊」問題が発生していましたら、私、小林たかひろまでご連絡ください。「マンション管理士」でもある「民泊問題のエキスパート」として、きっと皆さんの役に立ちます。