格差社会は、文化も経済も破壊する―演劇愛好家後援会

 「京都労演」をご存知でしょうか?

 京都労演 京都勤労者演劇協会

 京都勤労者演劇協会といって「より良い演劇を多くの仲間と京都で観よう!」を合言葉に、会員制で非営利の演劇鑑賞会です。具体的には月額会費3500円で、年7回の演劇を鑑賞出来ます。正規の価格で見に行こうと思ったら8千~1万・2万からかかるであろう良質な演劇ばかりなので、それだけでも充分お値打ちです。

 また、自分みたいに「文化的生活と程遠い」生活を送っている人間には、「これは観ておくべき!」っていう演劇を定期的に観れて、文化に触れる機会を無理やりにでも作ることで、生活に潤いをもたらしてくれますし、豊かな人間性を涵養してくれる、いい機会になってます。
 あの不破哲三・議長も東京労演の会員で、現職の忙しい中でも欠かさず鑑賞会に参加していたとのこと。

 ってことで、今日は労演の会員でつくる『演劇愛好家後援会』の年次総会&「労演会員のいっせい地方選挙予定候補者を励ますつどい」に参加しました。
 司会の方から「この1年の間に見た労演の例会で印象に残ったモノを1つ選んで感想を述べつつ決意表明を」とのことでしたので、2月例会で観た「パルレー洗濯―」を選ばせていただきました。韓国で大ヒット・ロングセラーになってるミュージカルの日本語版で、韓国の格差社会の現実の下で健気に頑張る労働者階級を活き活きと描いた作品です。

https://scontent.xx.fbcdn.net/hphotos-xfa1/t31.0-8/s960x960/10750002_595282383932113_1919986217468188865_o.jpg

 

 私が、話した挨拶の要旨は以下のとおりです。

 2月例会のパルレ、感動しました。
 格差社会を描いた作品でした。労働者階級の党=日本共産党の一員として、労働者階級のツライ現実に、明るく元気に立ち向かう姿に共感しました。

 さて、格差社会といえば、貴族社会の伝統が残るイギリスが「元祖・格差社会」として有名です。「労働者階級を脱出するには芸能人になるかサッカーのスター選手になるしかない」と言われるほどです。
 先日、アカデミー賞の授賞式がありました、イギリス人俳優のエディ・レッドメインがオスカーに輝きました。今年のアカデミー賞、イギリス人俳優で主演男優賞にノミネートされた俳優は2人いたのですが、その2人が2人ともイギリスの名門大学出身者だったと言うことが『今や俳優業まで、超エリートしか就けない職業になったのか』と、イギリス社会で物議を醸しているというんです。
 文化・芸術分野やスポーツの分野でさえ、大成するために必要な教育を受けるには、親に経済力がなければいけないという現実があると言うんですね。なんともやるせない話です、、、が、日本も同じような状況、というより、文化・芸術への税金からの支出が少ない分、イギリスよりもヒドイ状況になっているかもしれません。

 芸術・文化やスポーツにとって『多様性』とか『広い裾野』ってのは、その発展にとって、ものすごく大切です。上流階級の役者が悪いんじゃありません、上流階級出身の役者も実力があるならドンドン活躍したらいい。問題は、労働者階級の芸術家が出てこなくなって、多様性が無くなったら、文化・芸術そのものが死んでしまうということです。
 チャップリンや、ショーン・コネリーは労働者階級出身だからこそあの演技ができた。労働者階級の演技がリアルにできる役者がいなくなったら、誰がその映画やお芝居を観るでしょうか?

 豪華な劇場・高額なチケット、セレブな方々が多額の出費をすることで支える「芸術・文化」もあるでしょう、そういう上流階級が「芸術・文化」を経済的に支えていくことは必要です。しかし、もう一方で、誰もが低料金で楽しめ、安く借りられる劇場、無料で学べる芸術・文化の高等教育、そういう『公共』の施設・政策がないと、芸術・文化にとって、最も大切な『多様性』とか『広い裾野』はつくれません。それを実現するのが「政治」の役割です。

 低料金で芸術・文化に触れることが出来る、施設・施策を充実させるため、日本共産党は全力で頑張ります。ご支援よろしくお願いします。

 ちなみに、この挨拶のネタ元はこちらです。


労働者階級の子供は芸能人にもサッカー選手にもなれない時代(ブレイディみかこ) - 個人 - Yahoo!ニュース