ブログ炎上って言うけど、本質は集団放火だろう?


ブログ炎上 ~Web2.0時代のリスクとチャンス
  • 著:伊地知晋一
  • 出版社:アスキー
  • 定価:1260円
livedoor BOOKS
書誌データ / 書評を書く


 web2.0時代の負の側面をひたすら掘り下げてくれている1冊。
 ブログが炎上するメカニズムについて、豊富な実例にもとづいて類型ごとに分析をくわえている。ブログ炎上被害に会わないために、自分のブログ読者数がある日突然4ケタを超えたりしたらこの本を頼るべし。

 ってことで、犯罪被害にあわないためのノウハウを紹介する本として読む分には有用ではあるが、筆者のスタンスが、ブログを炎上「させる」側に甘く、「させられた」被害者に冷たいのがいただけない。

 犯罪被害にあわないためのノウハウを紹介した本なら、犯罪者が悪で被害者は救済対象という厳然たる前提がある。
 しかしこの本で紹介される「炎上させられた」被害者は、救済対象ではなくあくまでも悪い見本として扱われているのだ。

 確かに、炎上のきっかけとなる「反社会的行為を自慢したことがきっかけ(エアロバキバキ事件)」「経営者の立場から期間工に対する侮蔑発言(池内ひろ美発言)」など、被害者にいっさい問題がなかったとは言えない事例も多いわけだが、それにしたって自分が被害をうけたわけでもない「腰抜け名無し野郎」が、相手の会社に電話をかけたり、自宅を盗撮したり、殺害予告をしたりっていうのはどう考えてもやりすぎ。
 でもネットの世界ではそういう非常識人を「ネ申」とか「でかしたスネークwww」とか言ってあがめたてまつったりする。
 筆者はそういうネット内の思潮について、糾弾するわけでも眉をひそめるわけでもなく、ごくごく当たり前のこととしてうけ入れ、むしろそれに迎合する立場から「炎上するようなブログを書いちゃダメだよ」とうながしている。
 読み終わった感想は、ハッキリ言って「何だかなぁ」って気分だ。

 作者は、そういうネットに蔓延する「悪意」の存在について、影響力の大きい人間でもあるわけで「そういうことやっちゃダメでしょう」って啓蒙するべき立場のはずじゃあないだろうか?実際、「炎上」が怖くてブログ読者の立場から、ブログの書き手へとステップアップすることを躊躇している人も多いわけで、すそ野を広げてビジネスの機会を広げたいという立場なら、その事にもう少し注意を払うべきじゃあ無いかと、、、、そんなふうに思ったしだい。

 てなわけで読後のモヤモヤ感を払拭すべく、せっかくだから、このエントリーにコバコバの過去の反社会的行為を告白してこのブログを炎上させる実験でもしようかとも思ったんだけど、よくよく考えると炎上させるほどのネタがないことに気がついた。
 割と無難な人生を送っている自分に乾杯www

追伸:コバコバの正体や過去を知っている読者諸兄においては、くれぐれも僕の過去の悪行をばらしてやろうなどと言うイタズラ心を発揮しないように!

   やっぱり本が好き!って人は応援よろしくw⇒