グーグルの未来-パーフェクトな検索

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

日経BP

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 4月?5月にかけて、マルクスさんに登場してもらって、web2. 0について語ってもらった。

 実はその下敷きになったもう一冊の本がこれ。
 インターネットの世界が「グーグル以前」と「グーグル以後」にクッキリと分かれることを鮮やかに描ききった本だ。 ネット界で過去に起きたこと、これからおきることについて多少の興味がある人は必ず読むべき本=独習指定文献(笑)だ。

 この本の第11章では「完璧なる検索」と題して、「検索」の未来、ひいてはインターネットの未来について、大胆な予想を書いている。
 この著者によれば「ここでは完全なる検索の世界というものを想像してみよう。・・・何かを質問して客観的な回答を得るのではなく、 完全な検索をして「あなたの」完全な回答を得る。あなたの質問の文脈と意図に適した回答、不気味になるほどの正確さで、あなたが誰であり、 なぜ質問をしたかを知り尽くした上での回答を得る」のが、完全なる検索だと言う。

 今日はコバコバが、その「完全なる検索」を実現するために、グーグルがその「アルゴリズム」 にどんな「変数」を取り込もうとしているのかについて想像してやろう。 コンピュータについてはまったくの素人が晩酌後の勢いに任せて書いたものだから、あんまり期待しないでネン(^^。

Who 誰が
 「完全なる検索」では、検索を行ったのが「誰であるのか」が最も重要な「変数」となる。
 「ダ・ヴィンチ」という単語を検索した相手が「美術大学生」か「理工学部生」かによって、適切な回答が違うことはすぐに想像がつくだろう。 (言うまでもなく、レオナルド・ダ・ヴィンチは優れた芸術家であり自然科学者でもあった)

 すでに、グーグルアカウントやマイ・ヤフーなど、パーソナライズされた環境で検索を行うことは半ば常識となっている。あとは検索結果に 「誰が」検索をしてきたかによって、検索結果を変化させるためのアルゴリズムを書くだけだ。

What 何を
 パーソナライズされた検索で、相手の趣味趣向や属性(男か女か?理系か文系か?大人か子供か?などなど)を判別するには、 その相手が過去に「何を」検索語彙として入力したかが鍵になる。
 過去の検索履歴、これも未来のデータベースがアルゴリズムに取り込むべき重要な「変数」だ。

 似たような検索語彙を入力するグループを発見できれば、そのグループの検索動向を見て、 相手が次にどんなクエリーを打ち込んでくるのかをある程度予測ができるようになるだろう。

When いつ
 「何時(いつ)」その検索が行われたのかも、重要な変数となる。
 「WTC(世界貿易センタービル)」を検索する人が期待する回答は、 2001年9月11日以前と以後ではまったく違うものであることは明らかだ。

 検索語彙そのものが、時代とともにその身にまとう意味合いを変化させる。変化を読み解くためのデータはやはりweb上に転がっている。 急速に検索回数が増えた言葉や、web上で言及される回数やその使われる文脈の変化を、「リアルタイム」でデータベースに取り込んでいく。 処理速度の増加がそれを可能にする。

Where どこで
 検索をかけてきた相手がどこからその検索を行ったのかも、きわめて重要な「変数」だ。
 未来の検索では「業務中の病院」というクエリーに対して、相手の所在地情報から、半径10キロいないの病院のホームページの診療時間・ 電話番号の情報を返すようになるのが当たり前になるだろう。

 カルフォルニアでは、グーグルが無料の無線LANネットワークを整備しつつある。 検索を行うユーザーの位置情報が半径500メートルの精度でグーグルのデータベースに取込まれるのだ。

Why なぜ
 「未来の検索」では「なぜその検索を行うのか?」についても、推測し「変数」として取込んでしまう。
 「モナ・リザ」を検索してきた相手が、おなじPC上で「イラストレーターを起動して絵を描いている」のか、「ワード・ エクセルを起動して論文を書いている」のか「地図ソフトでフランス辺りを表示している」のかによって、検索結果が変わってくれたとしたら、 ユーザーはその勘の良さに舌を巻くだろう。

 「検索の履歴=クリック・ストリーム」がその「何故?」の答えをもたらすこともある。多くの人間の「検索の履歴」を取込めば取込むほどに、 「何故?」を推測する精度も向上するだろう。

How どうやって
 「未来の検索」では、検索語彙の入力はキーボードをたたくという狭い枠組みから解放されて、「音声」「身振り手振り」「目配せ」などにも、 正確なリターンを返してくるようになる。インターフェイスの進化は「JIS配列キーボード」と「光学式マウス」 で頭打ちになると思ったら大間違いだ。

 「集音マイク」と「高画素カメラ」によるインターフェイスを持つPCに向かって、「遊ぶところ」という「音声」に、 ちょっとしたウィンクを付加えれば、相手の希望する「遊び場」を教えてくれるようになる。 相手が恋人ができたばかりの青年であればUSJのホームページと交通情報を知らせるホームページを、 小遣いをもらったばかりの中学生の男の子なら歩いていける「おもちゃの○○商店」の新着情報を、リターンするようになる。

 この5W1Hを、グーグルの生み出すアルゴリズムが「変数」として取込むようになれば、 それはもう「パーフェクトな検索」そのものだ。
 しかし、 そのとき私たちの個人情報はグーグルのデータベースによって完璧に捕捉され、丸裸にされてしまうということを意味する。

 例えば車に乗っていると、お腹がすいた時間を見計らって、カーナビが一番近くの料理店の広告を表示してくれる(もちろん、 料理店は広告費をグーグルに献上することになる)・・・・そんな未来を私たちが快適なものとして感じることができるのかどうか?
 薄気味悪さが同居した、夢の未来像だ。

 未来の行く先を左右するのは「グーグル」を支配するのがいったい「誰になるのか?」 なんだと思う。
 ホワイトハウスなのか?
 グーグルの株主なのか?
 グーグルの二人の創業者なのか?
 利用者である不特定多数無限大の民衆なのか?

 この件について僕自身は楽観的でありたいと思う。
 グーグルも所詮人間が作った会社であり「神」ではない。人類の「集団の理性」によってコントロールが可能だと、、、

 酔いに任せて「わかる人だけ読んで!」って感じで書きました
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