Googleの株価はバブル?―web2.0についてマルクスさんに聞いて見た・・・その8

その8:「Googleの株価はバブル?
*以下の文書はその7の続きです

目次:
第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回


*連載も第8回めに突入。いよいよグーグルさんの登場です♪
 あと2?3回で終わる予定!もうしばらくお付き合いください

 

 前回のエントリーでは、インターネットサービス事業を展開する会社の労働者は『データベース』という商品を「生産的労働」 によって生産していると言うことが説明されました。
 マルクス経済学で割とみんながつまずきがちな疑問で「サービス労働は『価値』を創造しない」という説への疑問があるわけですが 「広告費・販売手数料」などで収益を上げるインターネット・サービス事業者は「不生産的産業」なのか「生産的産業」 なのかが、前回の説明でハッキリしなくなってきたんですけど・・・

 日本のマルクス経済学を学ぶ学生なんかの間では割と議論の対象になるテーマですね。 じゃあ別の産業を例に説明してみましょうか。
 まず質問1:「自動車製造をする会社で働く労働者」は「生産的労働を行う労働者」ですね?
 (バカにしてんのか?)
 当たり前じゃないですか。生産的労働以外の何者でもない。
じゃあ「レンタカー会社で働く労働者」は?
 

 エーッと、サービス業だから「不生産的労働者」 ですね。
 マルクス経済学的には。

 そうですね。100万円の車を一人で消費するのも、1万円で100人の人に貸すために買うのも、 どちらも生産された「価値」を「消費」しているだけで、自動車会社から販売された時点で「生産された価値」を「実現」 する過程が1回ですむか100回かかるのかの違いはありますが、販売相手が一般消費者かレンタカー会社かは関係なく 「生産的労働」は「自動車製造の会社」の中で終了してしまっている。

 なるほど。しかし、 実際にはレンタカー会社は100人ではなく200人とか300人に貸し出しますよね? そうでないと利潤が上がらないですが、、、
 そうです。しかしそのことによって、自動車会社が製造した自動車の販売する台数が減りますよね?つまり、 自動車会社が生産した「商品」の「価値」 が相対的低下をおこす→その低下分がレンタカー会社に転移したと考えることができます。
 これは、自動車工場で働く労働者が生みだした「剰余価値」を「実現する」ために(自動車を確実に販売するために) 生みだされた剰余価値の一部を「営業社員の賃金にまわす」 「広告代理店に広告を依頼し広告料を払う」ことと同じことです。
 ふーん、なんかだまされた気分。

 (自分で台本書いといてそりゃねーだろ!)
 それじゃあコバコバさん、自動車製造をする会社がレンタカー会社も経営していて、一般消費者には販売せずにレンタカーとしてのみ自動車を製造していたら、 その会社は「不生産的労働」をおこなう会社ですか?

 え?っと同じ会社の製造部門では「生産的労働」がおこなわれて、レンタカー事業部で「価値実現的労働=不生産的労働」 がおこなわれていると、、、この説明であってますか?
  正解!さすがコバコバさん!天才!
 ・・・って!俺に何をしゃべらせるんだよ!しかもこのネタ2回目!
 (イマイチ、のりの悪いノリ突っこみやなぁ)
 じゃあ「楽天」や「ヤフー」なんかも、同じ理屈で説明できるわけですね。
 そうです。さっきのレンタカーの例えで言えば、100万円の車=データベースを10円で10万人に貸すことで、生産した「価値」を「実現」していると。
 車という商品では絶対にありえないぐらいの数の利用者を集めることができるのが、 インターネットのすごいところです。

 10円で10万人に貸すってwww極端だけどわかりやすい例え。
 でも、最近のインターネットサービスって、サービスが無料で提供されたりして10円どころか1円も払ってなかったりするんですけど・・・

 さあ、そこでいよいよweb2.0企業についての説明に入っていくわけです。

 
  さあ!いよいよですね!

 ところでコバコバさん、こんな記事はご存知?
「あなたがGoogleで検索する度に12セントがGoogleの収益に」
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20060415_google12google/

 12セントって14円ですよね? グーグルって、一ヶ月に何回ぐらいクリックされるんだろう・・・

 アメリカだけで27億回/月(2006年1月)、 しかも毎月のように増えている。

 12セント×27億回=324億セント383億円ってこと! ?グーグルすげー!
 しかし、僕はグーグルには一円も払った覚えがないんですけど、、、


 グーグルの収入源は今のところグーグル・アドセンス、つまり広告収入だからね。 ユーザーの利用料を広告を出している企業から間接的に回収している。
 さらにもっとすごいのは、グーグルの株価。最近ちょっと下がったけど、時価総額10兆円を超えている。 従業員5000人の企業が、 従業員や下請けも入れれば10万人以上を働かせている大手の自動車メーカーと張り合うほどの企業価値があると市場が認めている。
10000000000000円ですか!スゴイナ
 それにしても広告費用なんて、せいぜいGDPの1% 前後ぐらいじゃないですか(日本1%弱=約6兆円、アメリカ1%強=約18兆円)。しかもその大半はテレビCMで、新聞、 雑誌と続いて、インターネット広告なんて日本ではやっとラジオを抜いたぐらいですよね? そのグーグルの収入や株価ってなんかバブルっぽいんですけど、、、


 うーん難しい問題だが、あえて「そうじゃ無い」と言っておこう。
 なぜなら、グーグルのやっている事業は「売り手」と「買い手」が、 きわめて効率よく出会うための仕組みづくりだから、広告という範疇にとどまらないすごさがある。
 ある意味「営業担当社員」や「仲卸問屋」などの仕事をしている労働者の労働を肩代わりしているとも言える。
 また、検索利用者が検索行為で満たすことのできる欲求は、 さまざまな活字媒体を通じて知的欲求を満たしたいという欲求を置き換えてくれるわけだから、 出版業界やマスメディアなどの事業をも含んでいる。
 グーグルのねらっている「パイ」がたかだかGDP1%前後にしか過ぎない「広告費用」 の一部だけ、だと決めつけるのは、少し過小評価し過ぎと感じるよ。

 (おっと、これまた大胆な指摘)
 しかし、マルクスさんの中でグーグル評価高いっすね?

  だって便利なんだもんwww


  結局それかい!

 それじゃ、今日はこのぐらいにして、いよいよ次回から「web2.0」について、 本格的にマルクス経済学のメスを入れて見ましょうか。
 って言うか、だんだん難しいテーマに突入するわけだけど、コバコバさん台本書けるの?
 え!やっぱ僕が台本書くの?


その9へ続く

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