自己増殖する資本―web2.0についてマルクスさんに聞いて見た・・・その4

その4:「自己増殖する資本」 
*以下の文書はその3の続きです

 

 前々回のインタユーでは労働価値説から剰余価値説まで、前回のインタビューでは、 剰余価値から利潤への転化という話でしたけど、短いエントリーの中でかなり強引なたとえ話まで使わせてしまって、 マルクスさん的にはかなり消化不良気味というか、、、
 いまいちコメ欄の反応も少なかったし、、、
 まったく、あれは全部君の台本どおりにしゃべっただけなんだからネ!
 あんな不正確な話を俺の口からしゃべらすんじゃネ?よって感じ。
 まあまあ、そうおっしゃらずに。今日あたりから、ボチボチグーグルさんの話しにはいって行きたいもんですから、、、 その前に、昨日の話しで言い足りないこととかあります?
 長くなるけど良い♪
   *1マイッタナ・・・
 簡潔にたのんます、、、_| ̄|○

 資本家は利潤の増大を唯一の目的として、資本を「原材料」や「労働力」等に転換し「労働」をさせる事で、 剰余価値を創造する、あるいは他の資本家が創造した剰余価値を役割に応じて分配してもらう(販売・輸送・広告・地代・利子・ 配当、等など)事で、資本そのものをより大きくしていきます。
 このサイクルを、資本をG、商品をW、で表すとこうなります
        G ⇒ W ⇒ W’⇒ G’
          ↑   ↑   ↑
          ?   ?   ?
? 貨幣資本を、原材料や労働力などの「商品」に交換
? 原材料など「過去の労働によって生み出された価値」に「労働」で新たな価値を付け加える
? 新たな価値がつけ加わった「商品」を貨幣に交換

「G’」は当然「G」よりも大きいと、こういうわけですね。
 そういうこと♪
 さすがコバコバさんは飲み込みが早い!賢い!!天才!!!
 ・・・って!俺に何をしゃべらせんダヨ!
 (ちぇ!おまえは台本どおりにしゃべってればいいんだよ!)
 ゴメンゴメン、ちょっと自分を褒めてみたかったもんで。
 ところで、ちょっと脇道にそれて、銀行みたいな金融資本なんかは「G⇒G’」のサイクルで資本を増殖させるわけですけど、 それはどういう仕組みなんですか?

 それはですね・・・
産業資本: G⇒G+G⇒W⇒W’⇒G’+G’’⇒ G’’
             貸しつけ            回収
金融資本 G ⇒⇒⇒⇒ G’
 産業資本が自己資本だけで原材料と労働力を買う時よりもより何倍何十倍もの資本を回転させることで、 将来受け取れる予定の資本の増殖分をより早く手に入れることができるわけです。

 ちょwwww、メチャクチャ直感的な表現なんですけど!何で資本論でそういう分かりやすい説明をしなかったんですか?
 あのねえ、こういう直感的で不正確な説明は僕はあまり好きじゃないんだよ。
 それに、19世紀の出版物で、フォントサイズが簡単に変更できたと思ってるの?
 なるほど
 失礼しました。
  Gは資本家の手元にある限り、自分自身の交換を通じて「G→G’」 へと自己増殖することを唯一の目的として活動を継続していきます。わたしはこれを「資本の魂(たましい)」と名付けました。 それから「資本家」のことを「人格化した資本」と呼んだこともあります。

 「自己増殖」を繰り返す「魂(たましい)」ですか。なんだかオドロオドロしいですねwww
 去年、日本海で大発生した「エチゼンクラゲ」を思い出しましたよwww

(そろそろマジメにいくか・・・)
 次に、何か工業製品を想定して、生み出された商品の「価値」を横軸に、原材料など「過去の労働によって生み出された価値」 を、「労賃」を■、剰余価値部分のうち利子や地代、 輸送や営業・広告に関わる諸経費を、利潤の部分を□、 生産台数を「 ×○○台」と表してみましょう。
       ■■■■■■■■■■□□□□ × 100台
 コバコバさん、□の利潤の部分を増やすためにどんな方法がありますか?

 (おっと、今度は乗ってこないか、、、)
 えーっと、 僕が思いつくのは、、、
1、商品の「価格」を「価値以上」に設定して、□を一個増やす
(前)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
(後)■■■■■■■■■■□□□□□ × 100台
2、生産台数を増やす
(前)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
(後)■■■■■■■■■■□□□□  × 200台
3、労賃を圧縮して□の比率を高める
(前)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
(後)■■■■■■■■■□□□□□  × 100台
4、原材料部分を圧縮する
(前)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
(後)■■■■■■■■■□□□□□  × 100台
 こんなところでしょうか?

 まあ、そんなところでしょう。ちなみに、原材料部分とは、過去の労働者の労働によって生み出された価値が詰まった 「商品」のことです。
 ここには生産手段である工場などの減価償却部分なども含まれます。「過去にすでに生み出された価値」という意味で 「死んだ価値」という言葉で表現したり、自分からは価値増殖しないという意味で 「不変資本」と呼んだりします。

 逆に「労働力」部分は価値増殖の担い手という意味で「可変資本」と呼んでますね。

 そういうことです。ちなみに、こういう「不変資本」「可変資本」という分け方をしたのは、私が初めてでしてね。
 私以前の経済学者は、不変資本のうち、生産手段である工場や機械など「G⇒W⇒G’」の回転を何回も回転させる中で、 徐々に商品に価値を転化させていく部分を「固定資本」と、「G⇒W⇒G’」の一回の回転で、 過去の価値が新しい商品の価値に移転する原材料等を「流動資本」とそれぞれ名付けて、分析をしようとしたわけです。
 ところが「労賃」を流動資本に含ませてしまったものだから、価値増殖の唯一の担い手である「労働」の役割や「労働」 が生み出す価値と「労働力」という「商品」の価値との差が剰余価値であるといったことに気がつかなかった。

 それを発見したのが、、、

 わたしです。(えっへん)
 ハイハイ
 また話が脇道にそれてますよ。

 おっと失礼(チッ!ちょっとぐらい、いーじゃねーか)
1、のような単純な値上げでは、その商品を他につくっている競争相手がいた場合にはつくった商品が売れない、つまり 「G⇒W⇒G’」のサイクルが途切れてしまいます。逆に、競争相手に先んじて独占的にその商品の開発に成功すれば、 価値以上の価格で売るチャンスが巡ってきます。
2、も同様です。市場に商品がまだまだ行き渡っていない段階では有効ですが、そうで無い場合は、売れ残りができて 「G⇒W⇒G’」のサイクルが途切れてしまう。

 現在の日本のように、「商品」があふれかえった社会では、「値上げしても売れる」「作れば作っただけ売れる」 という「商品」はなかなか無いですからネ。画期的な新技術とかでも開発されれば別ですが、、、

3、4、はそれに比べるとかなり有効です。
 個々の企業は確実に儲かっるように見える。しかし、、、前回も述べたように、 結果として社会全体で見れば作られた商品を消費する能力が減ってしまう。個々の企業は儲かったように見えるが、 社会全体ではせっかくつくった「商品」を消費するだけの貨幣を持っていないので商品が余る。
 そこで、他社に先駆けてつくった「商品」を「貨幣」に交換するために「広告」「運送」「小売り」 などへの支出を増やさざるを得なくなるというわけです。

 結果として、過去と比べて社会全体の生産能力は格段に増えたのに、労働者の生活はなかなか向上しなかったり、 真面目にものづくりする会社がつぶれる一方で、自らは価値を生み出さない3次産業ばかりが比率が高まるというわけですね。

 そういうことです。
 しかしここで注意しておきたいのは、利潤を最大化するためには、その「広告」や「輸送」「小売り」といった 「非生産的労働」の支出についても、おなじ効果が得られるならばなるべく安いほうが良いと資本家は考えるという点です。
つまり、コバコバさんの説明では抜けていた、
5、販売諸経費を圧縮する
(前)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
(後)■■■■■■■■■■□□□□  × 100台
という5つ目の利潤増大策も見逃すわけにはいきません。

 なるほど、なるほど、、、広告業界にしろ運送業界にしろ、どの業界でもコスト削減は至上命題ですからね。 だから働く現場じゃ賃金カットや労働強化は当たり前、、、

 ここでやっと、グーグルをはじめとするネットビジネスの話に入っていくことができるわけです。
 フー!
 いやはや、長い前フリでした!
ところで、、、、
そろそろgooブログの文字制限に近づいてきてネ?
またこのオチか!!


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